三成に過ぎたるもの二つ――「島の左近」と「佐和山の城」なり
寺小姓にすぎなかった三成が秀吉と出会い、
その運命を変えてから幾年月を経た――
従五位下治部少輔(じゅうごいのげじぶのしょうゆう)まで位を高めた三成だったが、秀吉が死に、三成もまた――己の運命を変えてゆく。
加藤清正、福島正則らを含む七将が起こした「大坂屋敷襲撃事件」。
これを事前に察知していた三成は、佐竹義宣の助力を得て大坂から脱出し、伏見城内に逃れていた。
この後、三成と七将は伏見で睨みあう状況となる。
家康の仲裁により和談が整ったものの、三成は五奉行からの退隠。
佐和山城へと帰城した――