戦男子恋絵巻vol.3「大谷吉継の章」～近江の死にたがり～

　　戦男子恋絵巻vol.3
「大谷吉継の章」～近江の死にたがり～
　

義に厚い名将、大谷吉継。
天正の始めに、吉継は豊臣秀吉の小姓となった。
以後、天正五年に織田信長から受けた播磨攻略、十年の備中高松城攻め。織田信長を主と仰ぐ秀吉に、吉継もまた付き従った。明智光秀による本能寺での謀反。それにより、信長は非業の死で生涯をとじる事となる。秀吉は、のちに『中国大返し』と伝えられる大強行軍で明智光秀を撃破し、勢いのままに光秀の残党も征伐した。
京都における支配権を掌握した秀吉は、清州会議で織田氏の主導権を獲得して台頭してゆく。吉継は、時代の覇者となりつつある秀吉を見続けていた。
賤ヶ岳の戦いでは、石田三成らと共に七本槍に匹敵する三振の太刀と賞賛される大手柄を立てた、吉継。秀吉が従一位・関白に叙任したこのときには、吉継も従五位下・刑部少輔に叙任された。これにより「大谷刑部」と呼ばれるようになる。
そして、天正十七年、吉継は越前国敦賀郡2万余石を与えられ、敦賀城主となった。
戦は常に吉継と共にある。忍城攻め・小田原征伐。戦だけに留まらず、吉継はその采配をふるった。
関白にまで登りつめた豊臣秀吉……
季節は移り、時も川の流れのように止まる事をしらず。栄華を誇った豊臣政権にも、やがて影りが見える。
光が強ければ強い程に、影もまた黒く濃いモノに。
それは、慶長三年に秀吉が没した後、確実なモノとなった――

堅く契った友との誓い
決戦の地は関ヶ原
僅かな命の灯を刻み付けるべく、吉継は戦場に立つのだった……

愛しき男は……限られた命で貴方の為に生き、残った命で友の為に死ぬと言う――

「生きとし生きる者はやがて土に還る……　戦人たるもの戦場で散るが本望ッ！
　　　　　　　　　　この刑部、友の為に死ぬ覚悟で参ったが故、気概無き者は往ぬるが良いッ！！」

西軍ファイナルを是非楽しんでいただけたらと思います

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